メールマガジン「実践!作文研究」
第125号(2002.6.30)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第125号 2002年6月30日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」125号をお届けします。
 今回は、編集主幹・上條晴夫による「構成メモって本当に役に立
つの?」です。これは、「実践!作文研究会」のMLに出た話題で
す。この機会に、ぜひご入会をお勧めします。
 それでは、皆さんからのご意見ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.構成メモって本当に役に立つの?−−

              実践!作文研究会・代表 上條晴夫

 作文教育に興味・関心を持っている人たちの集まる「実践!作文
研究会」メーリングリストに「構成メモって本当に役に立つの?」
という次の内容の投稿をした。たくさんの「レス」があった。

 「仕事で「小学生の作文で使う<構成メモ>」を調べています。
教科書にはごく普通に載っているようですが、わたし自身は本格的
な指導をしたことがありません。もちろん構成については教えます。
自分でも原稿用紙10枚ぐらいになるときに作ります。しかし学校の
授業では、構成メモを作らせる作業をしたことがないということで
す。ちょっと調べてみました。

 ○桜沢修司著「論理的な作文の指導技術」(明治図書)
  …「中」「まとめ」「はじめ」の順で書けと指導しています。
 ○中西一弘著「子どもとともに学ぶ作文指導の課題と方法」
                        (明治図書)
  …「中」をさらに三分割して書くコツが書いてありました。

 桜沢さんは「論理的な作文」、中西さんは「説明文」の構成メモ
の指導です。二つとも役に立ちそうです。しかし小学生が普通に書
くことが多い、生活文系の作文でも「構成メモ」は役に立っている
んでしょうか?勉強不足ですいません。どなたか「構成メモ」の指
導に詳しい方、少し教えて下さい」

 数えると30通を越すメールのやりとりがあった。そのメールの一
つ一つからたくさんのことを学んだ。中でも荒谷慈氏(作文塾経営)
の次の発言に深く考えさせられた。「構想メモについてですが、構
想メモ以前に、ただの「メモ」の書き方も、わかっていません。も
しかしたら、「メモ」っていう意味さえもわかっているようで、わ
かっていないような気がしています」

 確かに小学校の子どもたちは「メモ」を書くことが得意ではない。
中学生もけっこう苦手らしい。さすがに高校生くらいになると少し
はメモが使えるようになる。某大学の小論文試験での観察によると
受験生が「構成メモ」を使っている比率は4割ほどらしい。

 ちなみにフランスの初等教育では、構成の基本型を示すことから
指導を始めるという。「1まず、2次に、3それから、4最後に」
といった、ごく簡単な四分割方式の型にそってメモを作らせる。
 たとえば、「1まず、スタート・ラインに並んで。2次に、号砲
で走り始めてから前半までのこと。3それから、後半の走っている
様子。四最後に、ゴールしたときのこととそれからのこと」のよう
な感じだ。これを教師が個別指導する。(中西一弘・前掲書)

 日本の文献では国分一太郎著『みんなの綴り方教室』(新評論)
が面白そうだと教えてもらった。読み直すと、構成メモに関する国
分氏の次のような実践と思考の跡が伺える文章にぶつかった。

 「いよいよ書く前に『構想・構成計画表』をつくらせるこころみ
もする。しかしはじめは、すべての子どもが、それをうまくつくる
ようにはならないから、決して過大な期待をかけてはならない。初
期のころは、/○はじめ−/○中−○おわり−/これぐらいなもの
に、ごくみじかいことを書き入れさせる」
 「(本格的計画表が)まだむりだと思うなら、つづりかた用紙の
はじめに、○私は……したことを書きます。はじめに、……したこ
とを書き、つぎに、……したことを書き、そのあと……になってく
やしかったことを書き、おしまいに……したことで終わりにします。
このような『ことばがき』ふうに書かせるようにしてもよい」

 しかし「急ぐな」と書く。「ある日ある時ある所であった、ある
ことをつづらせる」段階では、「(本格的な)構成メモ」をすべて
の子どもに要求するのは、まだまだ早すぎるという。
 構成メモというと四角の表にメモを書けと指示さえすればOKと
いう安直なものが多い。しかし本当は非常に難しい、手間のかかる
指導であることがメーリングリストでのやりとりでわかった。
 本当に勉強になった作文のメーリングリストだった。

【今回の執筆者のプロフィールです】

  上條晴夫(かみじょう はるお)
 教育ライター・埼玉大学非常勤講師。
 現在、授業づくりネットワーク代表、全国教室ディベート連盟常
任理事、メディアリテラシー教育研究会代表、実践!作文研究会代
表、日本テレビニュースアドバイザリー委員をつとめる。
 著書・編著書に『見たこと作文でふしぎ発見』『ゲストティーチ
ャーと創る授業』『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』(以上、
学事出版)、『小学校朗読・群読テキストBEST50』(民衆社)、
『総合的な学習のための教育技術−調べ学習のコツと作文的方法−』
(健学社)、『さんま大先生に学ぶ 子どもは笑わせるに限る』
(フジテレビ出版)他。

       ◆       ◆       ◆

−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
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○「おもしろ作文道場」は第73回「○○が得意です」です。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/q-73.html

○「実践!作文研究会」の概要、主旨、入会フォーム等はこちら。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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