メールマガジン「実践!作文研究」
第118号(2002.5.12)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第118号 2002年5月12日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」118号をお届けします。
 今回は、荒谷慈さんの連載「プロが教える作文指導」の第2回を
お送りします。皆さんのご意見やご感想、追試報告などなど、お待
ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・プロが教える作文指導−−
                      編集者・ライター
                          荒谷 慈

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プロが教える作文指導〜ミニ作で文を好きにさせる。
第2回  ホネ文に肉付けしよう!

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■本番はコレカラ!

作文は、文作ること。「文を書いたらおしまい!」ではなく、そこ
からが「作文」。書いたその文は、実は始まりであり、そこからが、
「おもしろい!」なのです。
子供たち(大人も同じですが)が、「作文書いたヨ」と最初に出し
てくるのは、言わば「たたき文」、あるいは、「ホネ文」。
そこから、「肉」を付け、皮膚を付けと、膨らませるところは膨ら
ませ、絞るところは絞り、磨き上げるところは磨き、息を吹き込ん
でいくと、つまり、ここからが本番、本作業なのです。

といっても、子供たちは、「本番の旨み」をなかなか理解できませ
ん。最初に書いた文で、既に終わってしまっているのでなおさらで
す。そこで今回は、次のステップ「文を作るということ」を教える
ために、当作文教室で実際に行なっている方法のうち、いくつかを
ご紹介します。


【抽選BOXの中は?】〜一つの言葉を、詳しく説明する。

赤、青、黄、金の各色紙の裏側に、「ことば」を書いて小さく折っ
ていれておきます。
「ことば」は、赤→青→黄→金の順番で、難しくしておきます。
(例)
赤(低学年向け):あかちゃん、ふうせん、ハンカチ、犬、バナナ
青(中学年向け):信号、小学校、鉛筆、歯、骨、教頭先生
黄(高学年向け):光、磁石、空気、温度、星、郵便、右
金(中学生向け):政治、方向、円、喜怒哀楽、

一応、各学年に各色の折り紙を取らせるが、挑戦したい人は、難し
い色紙を取ってもかまわないことにする。
取った折り紙に書いてある「ことば」を、「その言葉の反対語は使
わないこと(右の反対、お父さんじゃないほう、は×)」というル
ールで、説明文を書かせます。

低学年には、
「書いてあったことばが、答えになるようなナゾナゾを考えよう!
だけど、このナゾナゾは、みんなが答えられなかったら負けだよ!」
と説明します。
書いたものを読ませて、本人以外は、その答えを書き、最後に、答
え合わせをします。
「答えられなかった」説明文(あるいはナゾナゾ問題)を、「どう
したらもっとみんながわかるかな?」と、みんなで考えます。

という単純なものです。

例えば、
「バナナ」〜黄色くて、皮をむいて食べるもの。
これに、答えが2つ出てしまいました。「バナナ」と「ミカン」で
す。
ミカンと答えた子からは、
「長いとか入れてくれたらわかったのに。」
「お猿さんが好きな食べ物と言ってくれたらわかったよ」
などなど、出てきます。
そこで、改めて、
「黄色くて、長くて、お猿さんが好きな食べ物です、皮を踏むとツ
ルンとすべります。」
と、作り直します。

これは、「抽選BOX」を使ったこともあり、子供たちからは「も
う一回!もう一回!」と、何度でもリクエストがあります。

高学年以上には、そのことばを辞書で調べて、自分の書いた説明文
の横に、書かせてください。

【折り紙レシピ】〜方法を詳しく説明する。

まず、折り紙で、好きな形を折らせます。次に、作文用紙を渡して、
その折り方を、最初から書かせます。
書いたものを読み上げて、他の人がその通りに折ります。
これも、本人が折ったものと同じ折り紙にならない子がいたら、負
け!になります。

これは、大人の生徒さん(文章上達講座受講生)にもやってもらっ
ていますが、おもしろいのは、その説明文で、「その人の思考傾向
や性格がわかる」点です。

「下のほうを上に持っていって半分にします。」「右の肩を左がわ
の肩に合わせて折ります」というフレーズが出てくる人は、「雰囲
気が好き」なタイプ。少々折り紙に白い部分があっても気にしませ
ん。

四角に、1〜4の番号を付けさせることから始め、「二等辺三角形
ができます」「正方形になりました」というフレーズが頻繁に出て
くる人は、結構几帳面で、数学が好き!折り紙は、きっちりと隙な
く折ります。

最初に自分で何を折ったのか、忘れてしまう人もいまして、そうい
う人は、「感覚で生きているようなタイプ」。でも、このタイプが、
一番おもしろい文章を書きますね。

この折り紙レシピは、子供でも大人でも、集中力も付きます。
最低20分は、し〜ん・・・・静かになりますから。
「作文指導講習会」でもやってみましたが、みなさん、時間ととも
にシンケンな顔になっていました。ぜひ、一度、ご自分でも挑戦し
てみてください。

ちなみに、私の長男(中1)が通っている私立清真学園(茨城県鹿
嶋市)は、作文に力を入れている学校ですが、折り紙の折り方では
なく「図形」を書かせたものを、同じように説明させるプリントを、
出していました。今度は、それも取り入れてみようと思っています。

【主人公交換ものがたり】〜自分以外の人の気持ち、視点を考えさ
せる。想像力を膨らませる。

浦島太郎、桃太郎、猿カニ合戦、白雪姫、シンデレラ等のおなじみ
の「童話」を用意します。これは、読み聞かせるのではなく、童話
のあらすじを書いたものを渡します。
好きな童話を一つ選ばせて、登場人物リストを書かせます。
次に、主人公以外の登場人物を一人選んで、その登場人物を主人公
にした童話を書かせます。

最初は戸惑っていますが、コツがわかると、おもしろがって、どん
どん書いていきますね。

「猿さん、猿さん。最近、村に桃太郎という若者が来たらしいよ」
「へえ、桃太郎?桃が好きなのかね」
「いや、大きな桃が川から流れてきたのを、おばあさんがウチまで
運んで食べようとしたら、出てきたんだって。」
「おばあさんも、よくそんな大きな桃を持てたものだね。」
「あのおばあさん、ああ見えても、力持ちらしい。」
「そうか、毎日、川で洗濯しているからねぇ、ゴシゴシゴシゴシや
っているから。」

子供たちの想像力に、思わず、こちらも笑ってしまいます。


■このほか、
「数字でドン!」〜『たくさん』『とても』といった言葉を数字や
比較させる言葉に直して、書かせる。
(例)
今日はとても暑かった。
→今日は、2,3分動いただけで、汗が出るぐらい暑かった。

お父さんは、ご飯をたくさん食べる。
→お父さんは、私の5倍ぐらい、ご飯を食べます。

というものもあります。
これらが、1つ5〜10分で書けるようになるころには、「肉付け」
の力もついてきています。以前書いた本人の「骨文」を見せると、
「わ〜、もっとココを書き足そう!」と、3〜4行の文を、あっと
いうまに、20行からの文に、仕上げて行きます。

       ◆       ◆       ◆

PS.春休み、4月、5月と、「作文教室」の展開版として、「こど
も記者クラブ」を行なっています。同クラブは、取材・体験する内
容の企画から、情報収集、取材・体験したことを記事にする、「こ
ども通信」という新聞を作るところまで指導しています。
第一号の「こども通信」は、下記にありますので、よろしかったら
ダウンロードしてご覧ください。(PDFファイルです)
http://www.opoco.com/sakubun/kodomo-news20020401.zip
(334kb)

【今回の執筆者のプロフィール】

名前 荒谷 慈(あらや めぐみ)・茨城
略歴 大学在学中に、新聞、雑誌の記者に。その後、出版社に就職、
     1年後に、女性月刊雑誌を創刊、編集長を務め、半年で20万
   部の全国雑誌とする。同社にてその他月刊誌、書籍などの編
      集を手がける。現在は、企画編集会社 ベストブレーン
     代表取締役兼ライター、編集人、企画人。
主な著書:
    すぐに使えるEメール文例事典(IDCコミュニケーションズ)
  バカができる男ほど女にモテる!(ベストセラーズ)
    失恋パワーの正しい使い方(大和出版)
    つまりあなたは結婚に向いていない(小学館)
    出会いでわかる恋の結末(廣済堂)他多数
子供を対象とした活動
    こども記者クラブ、こども作文教室主宰
E-mail araya@opoco.com
URL http://www.opoco.com/

       ◆       ◆       ◆

−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
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○「おもしろ作文道場」は第66回「有名人インタビュー」です。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/q-66.html

○「実践!作文研究会」の概要、主旨、入会フォーム等はこちら。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

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 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究会 2002
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