メールマガジン「実践!作文研究」
第11号(2000.4.9)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第11号 2000年4月9日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 新学期が本格的にスタートしましたが、皆様にはいかがお過ごし
でしょうか。ただいま猛烈に忙しく、ホームページ、メールマガジ
ンとも更新が若干遅れ気味です。皆様にはご不便をおかけしており
ますが、ご了承ください。
 さて今週号の私のリレー連載は、電子メールの引用についてです。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載「100万人のインターネット作文術」−−
                         小学校教諭
                          松田善啓

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100万人のインターネット作文術(第二回)

      Eメールの引用は必要最小限にすべし!
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■引用とは

 「引用」とは本来、「他人の著作物の一部を自分の文章の中に取
り込むこと」(註1)である。著作権法では引用について、第32
条で次のように定めている。

「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合
において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、
報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるも
のでなければならない。」

 中学生向けに書かれた著作権についての本によると、引用を行う
場合には以下のルールがあるとしている。

1.ほかの人の説や文章を取り入れる必要性があること。
2.あくまでも自分が書いたものが主で、ほかの人の説や文章は参
  考や補強する程度であり、自分の書いたものより少ない分量で
  あること。
3.ほかの人の説や文章の部分はかぎカッコでくくって自分のもの
  と区別し、その部分の著作者名や題名を表示して明らかにする
  こと。(註2)

 電子メールの場合、引用の意味は狭義になる。
 電子メールにおける引用は、「メールに返信する際に、元のメー
ルの一部をそのままコピーして返信文を貼りつけることを指す」。
(註3)

■メールの引用

 私は、ホームページとメールマガジンを運営している関係上、ホ
ームページのリンクを設定させていただくお願いや、メールマガジ
ンの原稿執筆をお願いする電子メールをよく送信する。
 そして、私のところにも、リンク設定のお願いに対するお返事や
メールマガジンへの感想をメールでよく戴く。大変ありがたいこと
である。
 また、このメールマガジンの編集会議をメーリングリストで行っ
ているため、編集同人の間でメールのやり取りを行っている。
 多い日で、1日20通ほどのメールを受信している。

 ところで、戴くメールの中に、非常に多くの方が使っている技術
がある。
 それは、元のメールを「>」や「|」などの引用符を使って引用す
るというものである。
 普通手紙を書くとき、そのようなことはしない。しかし、電子メ
ールの場合は多い。
 かく言う私も、この引用法は使用している。使っているメールソ
フトが「Outlook Express」なのであるが、メールの返事を書く際
に「返信」アイコンをクリックすると、元のメールに引用符が付い
て全文ペーストされている。これを利用すれば、返事を書く時に便
利である。

■目立つ「全文引用」

 「Outlook Express」の場合、購入時の設定が、返信の際に全文
引用されるようになっているというものである。
 私のところに戴くメールの中でけっこう多いのは、メールの本文
が書かれた後に、私が送信した元のメールが全文ペーストされてい
る場合だ。
 中には、メールマガジンの感想の後に、メールマガジンが全文書
かれているというのもある。
 果たして、全文引用するのがデジタル世界におけるマナーなのか。
それとも全文引用はタブーなのか。
 引用について書かれたものを、いくつか調べてみた。

■インターネット時代の引用のマナー

 引用について当たってみた結果、次のようなものがあった。

「電子メールの世界では、用件に対する応答を確実なものにするた
 め、相手のメールの一部を引用するという慣例がある。
  この「慣例」を知らず、最初にこうしたメールを受け取ったと
 きは、誰でも多少のショックを受ける。自分が書いた文章をその
 まま返信の中に貼り付けてくるなんて、ずいぶん失礼だなと思う
 はずだ。すぐに慣れてしまい、自分もその慣習に従うようになる
 のだが、やはり、やりすぎはいけない。引用するなら必要最小限
 にするのがエチケットだろう」(註4)

 私はこの論に賛成である。例えば、意を決して敢行したプロポー
ズのメールを全文引用して返事が来たらどんな気がするだろうか。

「議論と関係ない部分、あるいは全文を引用している人がいますが、
 これは読み手に不快ですし論点が取りづらいです。その議論に関
 係する部分だけを引用するようにしましょう。必要であれば内容
 の改変にならないかぎり、行の一部を取りだす、改行位置を変え
 るなどの編集をしても構いません。なお、あまりに短く引用する
 と相手の文意が正しく伝わらないことがあります。基本としては
 段落を単位とするのがいいでしう。」(註5)

 これも賛成である。
 @niftyの電子会議室では、コメント元のメッセージを引用した際
に「改行位置を変更しました」という断り書きを付け加えている発
言をよく見かける。文意が変わっていないのであれば、この断りは
必要ないと考える。

 また、「全文引用はやめよう」というサイト(註6)では、様々
な引用のパターンを示して「引用は『自分の主張の背景が最低わか
る程度』で充分」と主張している。

 他に当たったものについても、特に長いメールの場合、全文引用
するのはふさわしくないという意見が多かった(註7)。

■結論

 以上を総合すると、電子メールやメーリングリストなどで返信を
書くときには、元のメールの引用を必要最小限にした方がよい、と
いう結論になる。
 その工夫を行うことは、文章を読みやすくすることはもとより、
読み手を意識して文章を書くことにつながっていくのである。
 そして、引用した文章が第三者の目に触れる場合には、著作権に
配慮しなければならないことは言うまでもない。

■註

1.荻野綱男「電子時代の引用の仕方と留意点」『國文學』2000年
  2月臨時増刊号(學燈社)39P
2.中学生向け著作権解説副読本作成委員会『めざそう!著作権な
  んでも博士』((財)消費者教育支援センター、1998年)14P
3.「節度を守って引用すべし」『根本から学ぶパソコン活用講座
  5[電子メール編]』(日経BP社、1998年)19P
4.鐸木能光『インターネット時代の文章術』(SCC、1999年)129P
5.「Tips for E-Mail」サイト
 http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~Eiwasaki/Tips/tips.html
6.「全文引用はやめよう」サイト
 http://www.zzz.or.jp/free/miyosi/zenbun.htm
7.例えば(註3)の他、「メーリングリストビギナーズコラム」
 http://www.kt.rim.or.jp/~atsato/beginer/
  など、ネチケット関係のWEBページを参照のこと。

【今回の執筆者のプロフィール】

 松田善啓(まつだ よしひろ)

 小学校教諭。月刊雑誌『授業づくりネットワーク』編集委員。
 新任時より「見たこと作文」実践を行い、作文に関する実践記録
 や論文を著してきた。
 現在「実践!作文研究」ホームページを製作し、本メールマガジ
 ンでも編集長を担当している。

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

 次のサイトと相互リンクをしました。
・アンサンブル・レネット(音楽団体)
 http://www2.airnet.ne.jp/rainette/

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

 来週号(No.12)は、奥泉 香さん(波多野ファミリスクール)
のリレー連載「大学生に作文を教える」が初登場です。
 再来週号(No.13)では、ゲスト論考として、倉島保美さん(ラ
イティング・インストラクター)の「自著を語る」が登場!
 どうぞご期待ください。

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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