メールマガジン「実践!作文研究」
第109号(2002.3.10)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第109号 2002年3月10日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」109号をお届けします。
 今回は、編集者・ライターの荒谷 慈さんによる新連載「プロが
教える作文指導」をお送りします。荒谷さんには、3月(今回)、
5月、7月と3回登場していただく予定です。お楽しみに!
 それでは「プロが教える作文指導」、どうぞお読みください。
 ご意見ご感想もお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・プロが教える作文指導−−
                      編集者・ライター
                          荒谷 慈

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プロが教える作文指導〜ミニ作で文を好きにさせる!
第1回  嫌いなことを書かせよう!

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■原稿用紙に襲われて飛び起きる!

 実は、私は、モノ書きでありながら、鉛筆で字を書くことが大嫌
いなのです。
 剣道をやっていたせいか、どうも「棒」(鉛筆)の類は、ギューっ
と握る癖がついてしまっているようで、「記者」駆け出しのころは、
右手の中指はタコ。
 原稿用紙は、ゴキブリより嫌いで、よく、原稿用紙に襲われる夢
を見て飛び起きていました。
 そんな私だったので、「ワープロ」というものが出たときには、
まっさきに飛びつき、社内で占有、この20年で購入したワープロ、
パソコンは、10台になります。
 これまで、二十数冊の著書もださせていただいていますが、多分、
ワープロが無かったら、人生変わっていたのでは?と確信していま
す。
 ですので、原稿用紙を目の前にしたときの子供たちの気持ちは、
よーく!わかるのです。
 「これから、この4百ある升目に、ぜーんぶ字を埋めていく大変
な作業」というのが、子供たちにとっての「作文」なのです。

 作文教室に来る子供たちには、まず、作文は、苦しい作業ではな
くて、「最も楽しい創作時間」なんだ、という180度気持ちを変
えることから始めます。
 でも、これは、にんじんが大嫌いな子に、「私の一番好きなもの
は、にんじん!」と変えさせるよりは、ずっと簡単なんですよ!

■はーい、原稿用紙も鉛筆もしまっちゃおう!

 最初に作文教室に来た子供たちには、鉛筆もノートも出させませ
ん。
「作文好きな人!」 「・・・・・・・」(しーん)
「じゃあ、嫌いな人!」 「はーい!」
「そっかぁ。じゃ、今日は、最初に、作文の悪口大会をやろう!」
「えー!!」
「嫌いな理由を、言ってごらん?」
「字を書くのが嫌い」「書くことがわからないから嫌い!」「字が
下手だから」・・・
 子供たちが言ったことを、私がホワイトボードに書いていきます。
中には、「あのね、この前作文で、○○ちゃんが、こんなこと書い
たの・・・」「お姉ちゃんが作文の賞状もらったんだよ」など、脱
線したことを言う子もいますが、ここでは、どんな話しが出ても聞
きます。

■ミニミニ作文用紙の登場!

 嫌いな理由、作文の悪口を言いつくした子供たちは、せいせいし
た顔をして、緊張もすっかりほぐれた様子。嬉しそうな顔にもなっ
ています。

 そこで!原稿用紙を配りますが、この原稿用紙は、A5サイズ縦
で、縦の罫線と、動物などのカットが入っている「ミニミニ作文用
紙」を使います。(手作りです。)
 できれば、このときのカットは、「アッカンベー」とか、「ニコ
ニコ」の顔とかがいいでしょう。
 これで、学年にもよりますが、40〜50文字ぐらいがかけます。
新聞記事を書く原稿用紙は、確か、15〜18文字×10行程度の
小さなものでした。(15〜18文字というのは、実際の新聞記事
の字詰めと同じ)
 これだと、「たくさん書く」という抵抗が無く、どんどん書けて
しまうのです。


    ミニミニ作文用紙
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┃ なまえ            ┃
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「今みんなが言った悪口、いっぱい出たね!それをこの紙に、書い
てくれるかな?ぼくは(私は)、作文が大嫌いです!なぜなら・・
・・と書けばいいよ!今出てこなかったことも、書いてもいいよ」
 あっというまに、子供たちは、一人10枚ぐらい書いてしまいま
す。

■字も少なくなって、かっこよくなる!

 書き終わったら、今度は順番に読んでもらいます。
 みんな、笑いながら読みますし、聞いているほうも笑っています。
一通り読んだあとに、
「今、全部同じ書き出しだったけど、同じこと何回も書くの疲れ
 ちゃうよね。だから、今度はこうしてみよう!
『ボクは、作文が大きらいです。きらいな理由は○つあります。
 一つは・・・・・・、二つ目は・・・』
 そうすると、すごくかっこよくなるし、書かなくちゃならない字
 もずっと少なくなるよ!さ、挑戦!めんどうだったら、ハサミで
 切って貼り付けてもいいよ」
「字が少なくなる、かっこいい」ということに惹かれて、また子供
は嫌がらずに書き始めます。
 最初は、10枚ぐらい使った用紙も、今度は5枚程度になります。
書き終わったら、また、順番に読んでもらいます。

「なーんだ、みんな作文大嫌いだって言ってたけど、こんなに上手
 なんじゃない!それに、今だけで、1000文字ぐらい書いてい
 るんだよ!すごいね!」
「えー!?そんなに書いたの!?知らなかった〜。」
「あと、ハサミで切って貼っていた子もいたけど、実はね、作文っ
 ていうのは、工作とか料理と同じなんだよ!」

*ここで、「作文は料理、工作と同じ」の話しをします。
 これについては、http://www.opoco.com/gsk/html/hint2.htm
 をご覧ください。

「さ、今日はこれで終わるけれど、もし、もっと嫌いな理由を思い
 出したら、家でも書いてきてね。」
 ミニミニ作文用紙を数枚持たせて、教室は終了です。

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 これは、小学校3年生ぐらいまでが対象ですが、「理由をもう少
し詳しく、具体的に書かせる」「書き出しを、いきなり嫌な思い出
から書かせる」などで、高学年の子供もおもしろがって取り組みま
す。作文で、難しいのは、「気持ちを伝えること」。その点では、
「好きなこと」より、「嫌いなこと」は、ストレートに出やすいで
すね。また、最初の時間なので、文章指導は、あえてせず「楽しかっ
た!」という印象を残すことにしています。

【今回の執筆者のプロフィール】

名前 荒谷 慈(あらや めぐみ)・茨城
略歴 大学在学中に、新聞、雑誌の記者に。その後、出版社に就職、
     1年後に、女性月刊雑誌を創刊、編集長を務め、半年で20万
   部の全国雑誌とする。同社にてその他月刊誌、書籍などの編
      集を手がける。現在は、企画編集会社 ベストブレーン
     代表取締役兼ライター、編集人、企画人。
主な著書:
    すぐに使えるEメール文例事典(IDCコミュニケーションズ)
  バカができる男ほど女にモテる!(ベストセラーズ)
    失恋パワーの正しい使い方(大和出版)
    つまりあなたは結婚に向いていない(小学館)
    出会いでわかる恋の結末(廣済堂)他多数
子供を対象とした活動
    こども記者クラブ、こども作文教室主宰
E-mail araya@opoco.com
URL http://www.opoco.com/

       ◆       ◆       ◆

−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
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○「おもしろ作文道場」は第57回「Q&A作文 15」です。
 たくさんの投稿をお待ちしています。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/q-57.html

○「実践!作文研究会」では、主旨に賛同してくださる会員の方を
 募集しています。概要、主旨、入会フォーム等はこちらです。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/
 皆さんのご参加をお待ちしております。

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

☆「めるぼっくす」で本誌をお読みの皆さん(29人)へ
 「めるぼっくす」からの発行は前号で終了とお知らせしまし
 たが、まだ今日まで発行可能だということが分かりましたの
 で、今週号で終了ということにします。めるぼっくす以後は
 「めろんぱん」に発行システムが移ります。他のシステムに
 移らなかった方は以後、そちらの方でよろしくお願いします。
 なお、「めろんぱん」に移行されると「めろんぱんレター」
 「バ・キューン」の2誌が自動的に登録されます。2誌とも
 解除可能ですので、詳しくは移行後に「めろんぱん」から送
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(C)実践!作文研究会 2002
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