メールマガジン「実践!作文研究」
第107号(2002.2.24)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第107号 2002年2月24日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」107号をお届けします。
 毎月第4週は、北九州で教育実践を研究しているグループの皆さ
んによる「作文ゲーム入門」のリレー連載をお送りします。
 このリレー連載の中から、作文の書き方や、作文指導の方法等を、
読者の皆さんと一緒に学んでいきたいと考えております。
 第1回は、菊池省三さんによる「字数限定 理由づけ3本勝負」
です。皆さんの、ご意見・ご感想をお待ちしております。

       ◆       ◆       ◆

−−2.リレー連載・作文ゲーム入門−−
                        福岡・小学校
                         菊池 省三

============================================================
作文ゲーム入門 第1回
        字数限定 理由づけ3本勝負
         <明確な理由を述べる>
============================================================

1.指導のねらい

 子どもたちは、結論に理由をともなわせることの必要性は理解し
ている。しかし、それらの理由の多くは思いつきでダラダラしたも
のが多く、時には結論を支えるものになっていないことさえある。
 そこで、理由を簡単に書いたり詳しく書いたりするゲームをする
ことで、結論を支える明確な理由とはどのようなものかを吟味させ
る。
 
2.ゲームのやり方

 主張を支える理由を、10字、20字、30字以内と限定し、そ
の字数の中でいかに相手を説得できるものが書けるかを競うゲーム
である。

┌────────────────────────────┐
|1 4つのグループごとに「TVゲームは、良いか悪いか」の|
|  どちらかの立場を立ち、その理由をワークシートに書く。|
|                            |
|2 グループ内で書いたものを発表し合い、自分たちの立場の|
|  代表者をそれぞれ決める。              |
|                            |
|3 賛成・反対グループの代表者がスピーチ対決をする。  |
└────────────────────────────┘

3.授業の流れ

(1)ゲームの仕方を知る。

┌────────────────────────────┐
| TVゲームは、良いか悪いか              |
└────────────────────────────┘
 と板書する。
 これだけで子どもたちは、
「良いと思う、おもしろいもん」
「自分は、しすぎるから家の人に時間を決められている」
「やめたよ。目が悪くなるから」
 などと、口々に言い始めた。
 そして、
『スピーチ対決をします。
 教室の右半分の4グループは「TVゲームは良い」、左半分の4
 グループは「TVゲームは悪い」という理由を書きます。
 理由は一人ひとり、10字以内、20字以内、30字以内の3つ
 を書きます。
 立場の違う相手グループとそれぞれの理由で3回勝負をして勝敗
 を決めるゲームです。』
と話し、ワークシートを配った後で、詳しいルールを説明した。

┌────────────────────────────┐
|1 ワークシートは何枚使っても良い。          |
|                            |
|2 理由を考える時間は10分間とる。          |
|                            |
|3 漢字でもひらがな、カタカナでも1文字とする。    |
|                            |
|4 理由は3つとも同じことでもいいし、違ったことでもよ |
|  い。                        |
|                            |
|5 字数オーバーは認めない。              |
|                            |
|6 1回戦10字以内、2回戦20字以内、3回戦30字以内|
|  で、そのうち2回以上勝った方が勝ち。        |
|                            |
|7 判定は、残りの人全員でする。            |
|                            |
|8 判定の基準は、「なるほど、納得した」と強く思わせたほ|
|  うを勝ちとする。                  |
└────────────────────────────┘

(2)理由を書く。

 子どもたちは、すぐに指を折りながらワークシートに理由を書き
込み始めた。字数がピッタリ合って思わず拍手する子どももいた。
 相手を説得させなければならない、字数をオーバーさせてもいけ
ない、ということから鉛筆の止まりがちな子どももいたが、
『理由を一言で言うと何かな?まずそれを決めるといいよ』
『熟語にして短くすると20字にセーフになるよ』
などとヒントを出しながら机間指導をしていった。
 主な理由は、次のようなものであった。

<賛成側の理由>
 ・おもしろい
 ・友達ができる
 ・話題についていける

<反対側の理由>
 ・目がわるくなる
 ・会話が減る
 ・お金がかかる

 10分以内で全員が3つの理由を書き上げることができた。

(3)グループ内で代表作品を選ぶ。

 反対の立場のグループとの対決を後にひかえているだけに、どの
グループも声が相手のグループにもれないようにしながら真剣に話
し合っていた。
 グループ全員の理由をつき合わせて、一番「強い」理由を考えて
いた。
 子どもたちは、
「『目が悪くなる』というこの言葉は当たり前すぎだから、『視力
 の低下』とか、『失明の危険』とかにしよう」
「『楽しい』が多いけど、○○くんのは『家族一緒に』があってい
 いんじゃない」
「これを長くして30字の理由にすればいい」
 などと話しながら、グループで3つの理由を決めていった。早く
できたグループには、スピーチの練習をするように指示した。

(4)スピーチ対決をする。

 班対抗のスピーチ対決は、大いに盛り上がった。一つずつ理由を
スピーチさせ、その都度勝ったと思うほうにクラス全員に挙手させ、
理由を簡単に発表させた。そのうちの一つを以下に示す。

1回戦(10字)
┌──────────────┬──────────────┐
|   【賛成グループ】   |   【反対グループ】   |
|  ○友達と一緒に遊べる  |   ○視力が低下する   |
├──────────────┴──────────────┤
|      ◎21対9で反対グループの勝ち。       |
|     主な理由:「保健の先生も言っていた」      |
└─────────────────────────────┘

2回戦(20字)
┌──────────────┬──────────────┐
|   【賛成グループ】   |   【反対グループ】   |
| ○友達との話題について  | ○外で遊ばなくなるので  |
|  いけるので楽しくなる  |  体が弱くなる      |
├──────────────┴──────────────┤
|      ◎18対12で賛成グループの勝ち       |
|   主な理由:「クラスのほとんどの人がもっている」   |
└─────────────────────────────┘

3回戦(30字)
┌──────────────┬──────────────┐
|   【賛成グループ】   |   【反対グループ】   |
|○学校でいやな事があっても | ○ゲームに熱中しすぎて  |
| ゲームをすると      |  長い時間してしまい、  |
| 忘れる事ができる     |  勉強ができなくなる   |
├──────────────┴──────────────┤
|      ◎13対17で反対グループの勝ち       |
|  主な理由:「先生や家の人からも言われたことがある」  |
└─────────────────────────────┘

[判定]

 1回戦…反対、
 2回戦…賛成、
 3回戦…反対。
 2対1で反対グループの勝ち。

(5)感想を発表する。

「字数が決められているので、逆に書きやすかった」
「相手がどんな理由を言ってくるのかドキドキした」
「3回戦うのが、変化があっておもしろかった」
「字数が3通りに決まっていたので、自分にもできそうだと思った」
という感想が多かった。
 字数を限定したことは、相手を説得するための言葉を見つけ出す
ことができるかできないかという挑戦課題になったと思われる。少
しがんばれば理由を見つけられるかもしれないという意識が子ども
たちの中に生まれたようである。

4.伝言板

 テーマは「給食か弁当か」「宿題に賛成か反対か」などが考えら
れる。一つのテーマで、クラス全員参加のコンテストをしてもおも
しろい。


 このゲームは
 上條晴夫・菊池省三編著
 『楽しみながら思考力を鍛える小学校国語の学習ゲーム集』
                        (学事出版)
 に発表したものです。他にも24のゲームが入っています。ぜひ
ご覧になられて下さい。
                             ☆

【今回の執筆者のプロフィールです】

菊池省三(きくちしょうぞう)
福岡・北九州市立香月小学校教諭
所属団体:授業づくりネットワーク
     学習ゲーム研究会
     全国教室ディベート連盟
     北九州実践教育研究サークル代表
主な著書:『楽しみながら思考力を鍛える小学校国語の学習ゲーム』
     (編著)学事出版
     『話し合い・討論・ディベートの学習』
     (共著)明治図書 など
E-mail kikuchis@05.alphatec.or.jp
URL http://www.05.alphatec.or.jp/~kikuchis

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−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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(C)実践!作文研究会 2002
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