メールマガジン「実践!作文研究」
第105号(2002.2.10)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第105号 2002年2月10日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。3連休、いかがお過ごしでしょうか。
 「実践!作文研究」105号をお届けします。
 今週は、石井淳さんの新連載「教室でこそ鍛えたい『伝え合う力』」
をお送りします。
 それでは、お読みください。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・教室でこそ鍛えたい「伝え合う力」 1−−
                        秋田・小学校
                          石井 淳

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 教室でこそ鍛えたい 「伝え合う力」
    「紙上メールで意見交換」

              秋田市立金足西小学校  石井 淳
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【新連載を始めるにあたって】

 言葉は、使ってこそ身に付いていきます。
 読む、書く、聞く、話す、これらの活動を単独で重点的に取り扱
って行う指導もありますが、複合的・総合的に扱うことも大事と考
えます。
 これからの連載で紹介したい内容は、後者を意識した実践です。
 子どもたち同士が、生き生きとした顔で言葉のやりとりをしてい
く中でこそ、連載タイトルに掲げた「伝え合う力」が身に付いてい
くのではないかという提案です。
 どうかご覧ください。
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■子どもの作品(4年松組)

 鉛筆対談による書き出し部分の紹介です。
 2人による往復ではなく,4〜6人単位のグループによる回覧で
す。
┌────────────────────────────┐
|   学校は週休3日制にしよう             |
|・さとしです。賛成です。いっぱい遊べるからです。    |
|・まりなです。反対です。勉強がおくれるからです。    |
|・しょうたろうです。賛成です。3日休みだと、ゆっくり復習|
| できるから、勉強は、おくれないと思います。      |
|・ちひろです。反対です。学校に来るほうが友達といっぱい遊|
| べるからです。                    |
|・(以下省略)                     |
|・                           |
└────────────────────────────┘

■寸評

 グループ単位の書く作業が終わり、代表1名ずつの発表の場で、
大いに評価したのは、しょうたろうさんの発言(メール)である。
 前の人の発言を受けて、それに関わらせて書き込んでいる点であ
る。

■この作品が生まれるまで

 上記の作品は、以下の指示をしてから、シートに書かせたもので
ある。

(1)これからは「メール」の時代。紙をつかった「メールごっこ」
   をやってみようと呼びかける。

(2)教師が与えるテーマについて、どう思うかをメールに書き込
   んでいくよう指示する。
   (パソコン画面風にした記入シートを渡す)
   今回与えたテーマは、「学校は週休3日制にしよう」とした。

(3)メールの書き方は次のようにすることを板書で確認する。
  1 名を名乗る。「○○です」
  2 賛成か反対かを書く。「賛成です」
  3 そのわけを書く。
    「休みがふえると、ゆっくりできるからです」

(4)教師が指示したグループでメール(シート)を回す。
  ・教室の机の列(縦か横)単位か、学習グループ単位でよい。
  ・ぐるっと一周したらおしまい。(今回は4〜6人)

■作品づくりを支えた条件

・「メールごっこ」が子どもたちの遊び心をくすぐった。
・与えられた「テーマ」が子どもの生活と結びついていて考えやす
 かった。
・書く手順(書式)を与えたので、どの子も端的に書き込めた。
・メールの「回覧」が、書き込んでいく意欲を増幅させた。

 実践をふりかえって、このように分析してみた。

■第2段階の活動

 書き込みながらのメール回覧を一度経験したあと、次の指示をし
た。
「別の人物になって、その人の立場でメールを書いてください」
 例えば、「自分のお母さんだったら、きっとこう書くだろう」
 というように。

■第2段階の作品例

┌────────────────────────────┐
|   学校は週休3日制にしよう             |
|・○○の母です。反対です。三日も休みじゃ、家中ごみすて場|
| になってしまうわ。                  |
|・△△の母です。私も反対!うちの子はゲームしかしないか |
| ら。                         |
|・スキー場の者です。賛成です。休みにたくさんお客さんが来|
| るともうかるからね。                 |
|・学校の池のコイです。反対です。えさをくれる人が来ないと|
| こまるよ。                      |
└────────────────────────────┘

■考察

・今回のテーマについて、わざわざ書くことなく、「話し合う」こ
 とにしても、きっと楽しい話し合いになったであろう。

・しかしながら、いきなりの話し合いでは、一部の話し上手な子ど
 も中心の活動になりがちである。

・グループで回覧しながら書き込む「メールごっこ」は、一見、活
 発な話し合いと比べて地味な雰囲気が予想されたが、意外とにこ
 にこした表情でメールを書き込んでいく子どもたちの表情が印象
 的だった。

・書き込み式のグループ回覧では、グループの人数分のシートに書
 くこととなる。一人一人が、自分の前に書き込まれている友達の
 メールを読んで、それに反応したりしながら書くことができる。
 そこに、「読むこと」と「書くこと」の結びつきが期待されるの
 ではないかと試みた実践であった。

・さらに欲を言えば、こうした活動を通して、言葉を媒体にした
 「伝え合う」ことの楽しさを味えれば、次の意欲へとつながって
 いくのではないかと考えている。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立金足西小学校教諭
 所属団体:秋田授業づくりの会(研究誌編集局)
      学習ゲーム研究会
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
       以上学事出版刊

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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