メールマガジン「実践!作文研究」
第104号(2002.2.3)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第104号 2002年2月3日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」104号をお届けします。
 今週から、いよいよ今年の連載がスタートします。
 まずは、木越憲輝さんの「日記指導おもしろネタ集」からです。
 それでは、お読みください。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・日記指導おもしろネタ集 1−−
                        東京・小学校
                          木越憲輝

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日記指導おもしろネタ集
             「会話文日記」

                聖学院小学校  木越 憲輝
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「日記指導おもしろネタ集」では、主に小学生が日記を書くときに、
楽しく書けるネタ、すらすら書けるネタ、書く力がついたと自覚で
きるネタとその指導の仕方を紹介したいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。
第一回目は「会話文日記」です。

■会話文日記とは
 会話文日記とは、会話文を指定した作文である。
原実践では、以下のように書かれている。
┌────────────────────────────┐
│2人でお喋りをする代わりに交互に文を書きます。     │
│ 以下は「会話文日記」の作例です。           │
│ ==========================              │
│ おにいちゃんと話をしました。             │
│「5年生のべんきょうっておもしろい?」         │
│「ううん」                       │
│「じゃあ学校で何が楽しい?」              │
│「きゅうしょく」                    │
│ ==========================              │
│1日分の罫線は5本です。一行目にだれと話したかを書きます│
│のこりの4行に2往復の会話文が書けます。        │
│会話文だけの日記もありえます。             │
└────────────────────────────┘
(上條 晴夫著『だれでも書ける作文ワークシート小学校低学年』
 学事出版 P.14より)
 今回は上記中の二点の修正を行い、会話文日記を会話文を含む日
記という意味で捉えた。修正点は次の通り。
 1.二人で交互に文を書くことを指定しなかった。
 2.ワークシートを使用しなかった。
 1の修正理由は、自分だけで書くようにしたかったからだ。自分
だけで書けば、相手を選んだり、拘束したりする時間は必要なくな
るし、自分でゆっくり一日を振り返って欲しかったからである。
 2の修正理由は、子どもたちが普段の日記の書き方に慣れている
ので、ワークシートを使って違和感を感じることを懸念したから。

■指導例
(1)宿題の出し方
 小学二年生である。
 私のクラスでは、普段の宿題の出し方は次の通りだ。
1.毎日、自学ノート見開き二ページに、三つのメニューをする。
2.計算ドリル練習、漢字ドリル練習、作文のメニューがある。
3.毎日、教師がメニューの内容を指定する。
4.作文のメーニューの場合、授業感想や日記又はおもしろいネタ
  があればその都度「○○作文」という風に指定している。
  特に、週末の作文メニューは、日記がお決まりだ。
5.字数は、指定しないが、暗黙の了解で100〜200字程度。

(2)作文メニューに「会話文日記」初登場
 週末に日記の宿題を出した。出された作品の中で、会話文の含ま
れた日記は、たったの一つだった。そこで、帰りの会で紹介した。
 クラスの中で勉強があまり得意ではなく、作文に自信を持ってい
ない子の作品である。
『今日の日記のナンバーワンを紹介します。』
┌────────────────────────────┐
│ 今日、ぼくは朝おきたらけいしとベイブレードをやろうと思│
│ってたのに、へやがぐちゃぐちゃでした。だからかたづけて、│
│おわったら「けいしベイブレードやろう」って言ったら、  │
│「だめ」って言ったからしゅくだいをやりました。  Aくん│
└────────────────────────────┘
『「けいしベイブレードやろう」「だめ」ここがすっごくいいね』
『人の話した言葉が入っているとすっごくよく様子が伝わります』
と褒める。
『人の話した言葉を入っている文を会話文と言います。』
 「会話文日記」
と、板書し宿題の説明をする。
『今日は会話文の入った日記を書きましょう。たくさん会話文を
 書けば書くほどよいです。たくさん「」を使って書きましょう』

(3)会話文日記 一日目
 鉛筆対談のように書いてきた子がいた。
┌────────────────────────────┐
│ 今日はパパのたんじょう日です。            │
│「ねえママはプレゼント何にしたの」           │
│「ヒミツ」                       │
│「あのねかなね。グラスにしたの。あわがいっぱい入っている│
│ とうめいのグラスだよ。」               │
│「100円だったからちょうどかえたの。」        │
│「パパよろこぶかなあ」                 │
│「きっとよろこぶよ」                  │
│という話をしました。               Bさん│
└────────────────────────────┘
●会話文を6つも書けたのがよい。
 帰りの会で、Bさんの日記を紹介する。
『会話文が6つも書けましたね。すごい』
 その後、「会話文日記」を宿題にした。二日連続の宿題だ。

(4)会話文日記 二日目
 次のような作品が提出された。
┌────────────────────────────┐
│ 今日、7時半からバックギャモンの1回せんと2回せんをや│
│ りました。                      │
│「お母さん、何回やるの」                │
│「今日も3回にしよう」                 │
│「いいけど、お母さんはかつじしんあるの。」       │
│「このごろはたまにまけちゃうからあまりじしんないなあ。」│
│・・・(中略)・・・                  │
│「じゃあはじめようか」                 │
│「やったあ、1回せんのはじまりだあ」          │
│ このしあいは、ちなみに2対1でぼくがかちました。Cくん│
└────────────────────────────┘
●3段構成でまとまっている。最後の「ちなみに・・かちました」
に勝ち気なCくんらしい気持ちが出ている。
 
(5)その後
 三日目はふつうの「日記」を宿題にした。すると、会話文を使っ
た日記を書く子が15人いた。(これはクラスの1/3にあたる)

■指導後の考察
(1)日記を書けない子のネタ探しを楽にする。
  書くのが苦手な子は、ネタ探しで苦労するが「会話文日記」は
 思い出せなければ、その場で会話をすれば、そのまま書けるとい
 う手頃さがある。Cくんの作品は正にその場の会話をそのまま書
 いている。Cくんは普段書くことに苦労している子の一人だ。

(2)考察の文、終わりの文が変わる。
 「楽しかった」「つかれた」「おいしかった」という表現を
 よく使う子が使わなくなった。日記では、「楽しい」や「おいし
 い」など印象に残ったことを選びとることが多いが、会話文日記
 では、楽しくても楽しくなくても書けるところがある。だから、
 「のような話をしました」で終わっている。それでも日記が書け
 てしまう。

(3)質問文をたくさん書けるようになる。
  「これでいいかな」「プレゼント何にしたの」「何回やるの」
  その他にも「今日何してたの」など質問文がたくさん出てくる
  この日記で質問する力を鍛えることができる。
 
(4)今までになかった場面を気軽に書くようになる。
  ここでは紹介できなかったが、兄姉喧嘩の場面で交わした言葉
 や校内での口げんかを書きつづったもの、下校途上の友達との何
 気ない会話など、今まで普段の日記では出てこなかった場面を、
 会話文日記で子どもたちは描き出した。読む側(教師)の楽しみ
 が増えるし、学級経営にも良い効果がある。

■参考文献
上條晴夫著『だれでも書ける作文ワークシート小学校低学年』
学事出版

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会

       ◆       ◆       ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
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−−4.編集後記−−

次回は、石井 淳さんによる「教室でこそ鍛えたい”伝え合う力”」
をお送りします。お楽しみに!

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