分身かくれんぼ
奥泉 香「『分身かくれんぼ』で〈視点〉の学習を」
『授業づくりネットワーク』(2000年1月号)より


 「分身かくれんぼ」の目的は次の3点。

1.実際の自分とは異なる「視点」から書く。
2.その際目だけではなく、耳や鼻や手でわかることも書く。
3.全体として整合性が有るように書く。

 子どもの活動の大まかな流れは次の通り。

1.縦7cm×横3cmほどの厚紙に、自分の分身を描く。
2.描いた分身を校内のどこかに隠す。
3.このとき、その場所の様子について、五感を活用してメモを取る。
4.その分身から見える景色や、聞こえる音等を思い出し、作文に書く。
5.書き終わった作文を交換する。
6.そこに書かれている分身の場所を推測し、理由付きで作文に書く。
  そのとき、元の作文を引用する。「『 』と書いてあるから〜にいると思う」など。

 隠れている分身の「視点」で書いた作文例。

  私の分身はどこでしょう?

 私は今、とてもすごいところにいます。ここの見晴らしはとてもいいです。
 みんなのことを上から見下ろしています。でも下を見るのは、非常に怖いです。
 高さは、学校の4階と同じくらいです。
 カラスがカーカーと鳴く声が聞こえます。風がピューピュー吹いています。
 どのようにしているのかというと、ロープにつかまっています。
 そのロープは、アルミでできた長い柱にくっついています。
 私の近くには、布でできた四角いものがヒラヒラしています。
 どうやってここに上ったのかというと、ロープにつかまっていたら、ロープを引っ張る人がいて、スルスルと布でできた四角いものと一緒に上がっていきました。
 ここから落ちたら、大変なことになると思います。非常にこわいです。
 でも、ここからの海や山の眺めはとても気持ちがいいです。