課題作文の書き方
松田善啓
メールマガジン「実践!作文研究」第134号(2002年9月1日発行)より

■何を書けばいいの!?〜課題作文編〜■

…何を書いていいかわからない…

 この夏休みの間、私の所にも作文の書き方に関して様々な疑問・
質問をいただいた。
 質問は、大きく分けて次の2種類だった。
┌────────────────────────────┐
|1.作文の表記について                 |
|2.何を書いたらいいのか分からない           |
└────────────────────────────┘
 今回はこちらのうち、2の「何を書いたらいいのかわからない」
ということの克服法について述べる。

…問題意識が持てなければ課題作文は書けない…

 「何を書いたらいいのか分からない」とメールで訊いて来た人た
ちは、次のように訴えてきた。

「(実践体験文を書くという宿題が出たのですが)実践体験をした
 ことがないので、何を書いていいのかわかりません」

「夏休みの作文でどんな事を書けば良いのかまったく浮かばなくて
 困っています。テーマは「人権」又は「防犯」で、原稿用紙3枚
 分です」

「宿題で「歯」についてのエピソードなどを作文にしなければいけ
 ないんですが、まったく思いつきません」

 要するに、「テーマは決まっているが、何を書いてよいかわから
ない〜どうすればいいのー?」という質問が共通してあった。テー
マは決まっているということなので、ここでは「課題作文」と呼ぶ
ことにする。

 課題作文を書くにあたっては、出された課題に対して一人ひとり
が、どのような問題意識を持つかということが大切になってくる。
出された課題について、問題意識が持てなければ、作文は書けない。
当然だ。
 本来、課題を課して作文を書かせるのなら、問題意識をどう持て
ばよいかまで指導すべきだ。ところが現在、そこまで指導していな
い「作文指導」が多くないだろうか。

…問題意識の持たせ方…

 大内善一氏は、「問題」を発見する技術(「発想」の技術)とし
て、次のように定義づけている。
(『思考を鍛える作文授業づくり−作文授業改革への提言−』(明
 治図書))
┌─「発想」の技術────────────────────┐
| さまざまな事物・事象・文献の中から価値ある問題(=「題|
|材」)を見つけ出し、これを〈疑問文〉の形で提示すること。|
└────────────────────────────┘
 そして大内氏は具体的に、次のような教材を開発し、提示した。
 もっともこれは、「生活意見文」を書かせるための教材として、
開発されたものである。
 ここでは紙幅の都合上、概略を記すにとどめる。

┌────────────────────────────┐
|1.課題を聞いて、思いつく言葉を「名詞形」で書き出す。 |
| (例)課題が「歯」だったら、「歯医者」「8020運動」|
|    「歯周病」「デンターライオン」など…      |
|2.これらの言葉から「問題」を、「問い」の形で取り出す。|
| (例)「8020運動」の場合は、次のように。     |
|  「8020運動って何だろうか」           |
|  「どうして8020運動が提唱されているのだろうか」 |
|3.これらの「問題」を次の2つの条件に照らして検討する。|
|  ・自分がいちばん関心を持っている「問題」はどれか。 |
|  ・その「問題」を具体的な根拠にもとづいて論じることが|
|   できるか。                    |
|4.「問題」についていろいろな方法で調べて、具体的な材料|
|  を集める。                     |
|  ・自分の体験談や知っていることを掘り起こす     |
|  ・人に聞いて分かったことを書きとめる        |
|  ・本などで調べてわかったことを書きとめる      |
└────────────────────────────┘

 これらの「材料」がたくさん集まれば、課題作文は書けるはずで
ある。
 あとは、それらの材料をもとにして、自分が気づいたことや考え
たことを書くようにすれば、課題作文は書けるであろう。

(ごく簡単な例)

○「歯」と聞いて、みなさんはどんなことを考えましたか?
○私は8020運動のことを考えました。(上の1より)
○そもそも8020運動って何だろう。など(2、3)
○そこで、調べてみました。
○これこれこんなことがわかりました(3、4)
○それについて私は、これこれこう思いました。

 質問をいただいた方にはもっと早く解答できればよかったのにと
思ったが、ぜひ作文を書く際にも、作文指導をする際にも、参考に
していただければ幸いである。
 そして、ご意見ご感想をいただければ幸いである。

【参考文献】
大内善一『思考を鍛える作文授業づくり』
                  (明治図書、1994年)
上條晴夫編著『見たこと作文実践ネタ集』(学事出版、1994年)
宮川俊彦『作文がすらすら書けちゃう本』(小学館、1997年)

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